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凪司工房の徒然

お知らせ・小説・ツイノベ・随筆・エッセイなど

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小説「おむすびは解ける」


【あらすじ】
元刑事の久慈はペンションをやりながら食堂も出していた。朝の散歩から戻るその家の前に女性が倒れている。医者を呼んだが、事件ではなく過労と空腹だと言われた。久慈は彼女が目覚めるのを待ちながら料理を作る。その脇には細かな字のレシピ本があった。
これは食事と料理を巡る悲しい事件と、それに関わった人間のその後、それから立ち直っていく様を描き出すヒューマンドラマである。


【備考】
・本作は執筆応援キャンペーン「おいしい時間」応募作です。
・コンテスト期間終了後に非公開になる場合があります。


【データ】
文字数:約2万5千字
バージョン:v1.0.1
公開日:2023.02.05
更新日:2023.02.06


【リンク】
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【作品冒頭】



 まだ薄っすらと山の上に淡く光が見えている、そんな薄暗い中、裾の破れたジーンズを引きずるようにして野球帽を被った白髪混じりの男がスマートフォンを手に歩いていた。カーキ色のベストにはポケットが沢山あり、その胸ポケットの一つにその長方形の現代機器を仕舞う。一応圏外ではないものの、電波が入ったり、入らなかったりしていて、どうにも使いづらい。ただ時刻を確認するのには重宝していた。男の腕時計はひび割れたまま、あの日から動いていない。


小説「おむすびは解ける」1より

#小説 #短編 #ヒューマンドラマ #文芸 #食事 #料理 #毒 #結婚詐欺師 #刑事

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小説「私とわたしとワタシの日常」


【あらすじ】
大学生の岩根今日子は他人には見えないIF(イマジナリーフレンド)と共に実家を離れ、アパートで暮らしていた。
今日子のIFは五歳の「きょう子」と十五歳の「キョウコ」だ。人付き合いの苦手な今日子だったが、誰にも見えないはずの彼女のIFと普通に接する青年・宮内翔太郎の登場により、何とかバランスを保っていた平穏に見えていた日常が崩れ始める。
これは多感な学生時代に、色々な人間関係に悩みながらも、一歩、大人へと成長していく少女の物語である。


【備考】
・以前にこちらで公開していたものを1ページの分量などを調整してフォーマットを変更していますが、基本的に同じ内容です。


【データ】
文字数:53000字
バージョン:v1.1.0
公開日:2023.2.1
更新日:2023.2.1


【リンク】
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【作品冒頭】



 半分ほど開けられた教室の窓から入り込んできた風に左頬がそっと撫でられ、私の意識を黒板の「教育と心理学」などと書かれた文字に向かわせる。
 机の上に出した分厚い教育心理学概論の教科書は開いていたページが流れてしまっていて、ずっと同じ調子の先生の声に瞼を閉じられないように注意しながらどこのことを言っているのか探す。
 携帯電話に表示されている時刻は四時を回っていたが、最近はこの時間でもびっくりするくらいに温かい日が多い。季節外れの嵐や北海道なのにと前置きをされる猛暑日が、知らない間に日常に置かれていた。


小説「私とわたしとワタシの日常」第一話 私とわたしとワタシより

#小説 #中編 #大学生 #青春 #イマジナリーフレンド #人間関係 #成長

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小説「幽霊な姉と妖精な同級生〜ささやき幽霊の怪編」


【あらすじ】
土筆屋大悟(つくしやだいご)は陰陽師の家系に生まれた、ごく一般的な男子高校生だ。残念ながら霊能力はほとんどなく、辛うじて十年に亡くなり幽霊となった姉の声が聞こえるという力だけがあった。
そんな大悟にはクラスに憧れの女子生徒がいた。森ノ宮静華。誰もが彼女を妖精や天使、女神と喩える、美しく、そして大悟からすれば近寄りがたい女性だった。
ある日、姉の力で森ノ宮静華にその取り巻きが「ささやき幽霊の怪を知っている?」という話をしていた。
これは能力を持たない陰陽師の末裔の、ごく普通の高校生男子が恋心を抱く憧れの女子生徒と、怪異が起こす事件に巻き込まれる、ラブコメディーな青春異能物語である。


【備考】
・本作は「ねえねえ姉〜幽霊な姉と天使のような同級生」をリメイクしたものである。
・本作は「GCN文庫1周年記念短い小説大賞」応募作です。
・コンテスト期間終了後、非公開になる場合があります。


【データ】
文字数:3万字
バージョン:v1.1.0
公開日:2023.2.1
更新日:2023.2.1


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【作品冒頭】



 ねえねえ――。
 右耳の表面をくすぐる微かな響きを感じ、瞼を持ち上げようとした。けれどまだ全身が重く、とても夢現から抜け出せない。
 もう少しだけ……と声にならない声で、土筆屋大悟(つくしやだいご)は息を吐き出す。
 ねえ。ねえねえ――。
 けれどその愛らしい声は、彼の意識を無視して今度は左の耳へと囁かれた。
 吐息のような囁きは大悟を良い加減に脱力させる。ついで、鼻の先を甘い匂いが掠めた。それは教室に入った瞬間にいつも漂う香り、即ち森ノ宮静華(もりのみやしずか)のものだ。


小説「幽霊な姉と妖精な同級生〜ささやき幽霊の怪編
」1より

#小説 #ライトノベル #短編 #高校生 #陰陽師 #ラブコメ

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小説「家族と呼ぶ日」

【あらすじ】
小学五年生になる愛海(まなみ)は学校で「家族」についての作文課題が出て、頭を悩ませていた。というのも彼女の家庭は事実婚で、今の父親ガブリエルは四人目の父だったからだ。
これはまだ大人の世界に足を踏み入れていない小学生が、それでも必死に家族というものについて調べ、考え、自分なりの答えを見つけるヒューマンドラマである。


【備考】
・本作は超・妄想コンテスト「○○になりたい」応募作品です。
・本作はコンテスト期間終了後に非公開になる場合があります。


【データ】
総文字数:8000字
バージョン:v1.0.1
公開日:2023.01.29
更新日:2023.01.29


【リンク】
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アルファポリス
魔法のiらんど


【作品冒頭】



 小さい頃は全然気にならなかったものが、いつの間にかどうしようもなく目に付いたり、鼻に付いたり、違和感になったりすることがある。この春から小学五年生になった岩城愛海(いわきまなみ)も、そういう違和感を覚える年齢に差し掛かっていた。
「どうしたんデス、マナミ?」
 食卓に並ぶのはご飯ではなくフランスパンのスライスで、それに母手製のラズベリージャムを塗り、愛海は口に運ぶ。その眉根がきゅっと寄っているのは味が苦手だからとか、そういった理由ではなく、笑みを浮かべる母と父の二人が、娘を前にしても平気でチュッチュと音をさせながら口づけを交わしているからだ。


小説「家族と呼ぶ日」1より

#小説 #短編 #ヒューマンドラマ #家族 #小学生 #事実婚

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小説「ラブアフェアー・レポート」


【あらすじ】
ある高層マンションの一室で、殺された男とそこで立ち尽くしている女が発見された。
捜査官の飯塚マヤは二人についての資料を読み、問題の女、穂苅ミオンの尋問を始める。
その殺人に隠されていたものとは? これは男女の愛憎を巡るミステリ短編。


【備考】
・本作はノベルアップ+で開催されている冬の5題マラソン第五週の応募作品です。
・コンテスト期間終了後に非公開になる場合があります。


【データ】
文字数:約4000字
バージョン:v1.0.0
公開日:2023.1.28
更新日:2023.1.28


【リンク】
ノベルアップ+


【作品冒頭】



 夜の街の明かりが星のように見下ろせる、そんな高層の一室だった。テーブルには二つのワイングラスと半分ほどを食べ終えたディナーが二セット、その脇のソファには男物と女物のコートが投げ出されるようにして掛けられていた。姿見のような大きなガラス窓は、けれど何も映していない。
 奥のドアが僅かに開いていた。その隙間から微かに耳障りな笑い声が漏れ出ている。
 そこは寝室だった。二人が手を広げて横になっても充分に包み込んでくれる大きなサイズのベッドの上には、半裸の男性が一人、横たわっている。その男性を前にして、小刻みに肩を揺らして立つ女がいた。笑い声の主は彼女だ。
「何をしているの?」
 女に向けてライトを照らすと、その口元は真っ赤に濡れていた。彼女はにちゃりと口角を上げ、こう答えた――彼の味がする――と。


小説「ラブアフェアー・レポート」より

#小説 #短編 #男女 #事件 #ミステリ #血

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エッセィ「ちょっと転んだだけなのに」

 
【あらすじ】
筆者である私の父が、転んで足を少し痛めた。最初は本当にただそれだけのことだった。けれど思いもよらない方向へと事態は転がり落ちていく。
これはフィクションではなく、リアル・ストーリィである。


【備考】
・本作は小説ではなく、エッセィです。
・本作は「どうしてもだれかに話したい!」エッセイコンテスト応募作です。
・コンテスト期間終了後に非公開になる場合があります。


【データ】
文字数:10000字
バージョン:v1.0.0
公開日:2023.1.22
更新日:2023.1.22


【リンク】
エブリスタ
小説家になろう
カクヨム]※諸事情で他より若干短いです
アルファポリス]※コロナ禍という文字が使えず代替文字です
ノベルアップ+


【作品冒頭】



 誰だって「まさかそんなことになるとは思わなかった」という経験の一つや二つくらいあるだろう。
 これはそんな「まさか」の出来事で、少なくとも私にとっては全くフィクションではない。
 ――人生何がどうなるか分からない。
 それを経験した身として、ここにエッセィという形ではあるが残しておこうと思う。


エッセィ「ちょっと転んだだけなのに」はじめに より

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