たった140字。それをどのように埋めるか。もっと短い字数で書かれたものもありますが、一応140字いっぱいに使う方向で今は考えております。
今週分(9月27日~10月3日投稿分)は7編です。
10月3日
#twnovel そこは彼女には程よい檻だった。羽を伸ばしても文句を言われず、餌も水も好きな時に得られ、飛び回ることが出来た。不自由など無い筈だった。だがある日、彼女は檻から飛び出した。一年後、届いた絵葉書にはどこかの湖畔でギター青年に寄り添って歌う彼女の、見たことのない笑顔。
10月2日
#twnovel 「リア充って何?」ネット音痴の彼女が一体どこからそれを見つけてきたかと思ったら、僕の携帯だった。「吉牛の親戚だよ」と弁解したらたぶんまた説明する羽目になる。「だから面倒なの?」お嬢様と僕との格差は埋まらない。それでも言葉は容易に飛び越える。「鰻重食べに行く?」
10月1日
#twnovel 「桜が咲いてる」秋なのにまた彼女お得意の妄想かと思ったら本当に三つだけ、桜の花。彼女は勝ち誇ったように笑って。秋に桜が咲いたってもう別れることは変わらないのに、その笑顔を写真に収めたくなった。「また桜だ」翌年もそれは咲いていて、でもよく見たら単なる模型だった。
9月30日
#twnovel 迷惑メイルの名前が初恋の君と同じで、僕は小学校のセピア色を思い出す。女の子と目も合わせられない僕の手を、君はしっかり握って歩いてくれた。その温度と柔らかさはまだ憶えていて、今でも女性と手を繋ぐ時に思い出してしまう。今頃どうしてるかな。あ。クリックしちゃった……。
9月29日
#twnovel ぼくのお父さんは地球防衛隊です。地球を守るために宇宙人を見つけて排除しないといけないそうです。見回りをしながら宇宙船を見つけてシールで封印するのが仕事です。時々宇宙人に罵倒されるけど、ぼくも将来はあの緑の制服を着たいです。「お前の父ちゃんただの駐車監視員やんけ」
9月28日
#twnovel 銃口が向けられていた。ちょっと待て、日本だぜ。姫香を賭けて決闘をしようと申し込まれて、いざ体育館裏に来てみたら銃だよ。本物?「撃てば分かるよ」撃つなよ。「じゃあ行くよ」あっけない破裂音で銃は火を噴いた。俺の心臓はぐちゃぐちゃになり……あ、忘れてたけど俺ゾンビだ。
9月27日
#twnovel 「明日俺は消える」彼はベッドの中でそう言った。冗談だと思って、だから「でもまた会えるんでしょ?」けれどそれに返事は無く、代わりのキスが最後の挨拶だった。翌日、私の家に刑事がやってきた。「最近盗難被害が相次いでまして」「私は何も」「恋愛の記憶を盗まれては?」恋愛?
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