140文字で語れることは何か。一言では無いけれど、それほど多くも語れない。でも意外と語ることが出来るのがこの140文字なのかも知れません。
今週分(10月4日~10月10日投稿分)は7編です。
10月10日
#twnovel 街角でギターを弾く君の前にはぽつぽつと人が集まり始め、その失恋の歌に涙を流す人まで出てくる。それを君の勘違いと告白出来ず、あの日渡しそびれた指輪を手にして僕は、また今日も帰る。家に帰ればまた迷惑な酔っ払いの姉が脱ぎ散らかして大変なことになっているんだろうな。
10月9日
#twnovel 下がり続ける株価に社長は呆けたように叫び続けた。私は黙って彼の前に用意した拳銃を放り投げる。「俺にこれで責任を取れって?」私の父もそうやって最期を迎えた。「責任など取れるか」「その覚悟が無い者がトップに立つべきでは無かったのよ」銃声はあの日と同じく空しい響きだ。
10月8日
#twnovel 口笛が吹けないとバカにした君を見返してやろうと伝説の師匠という人に弟子入りしたら何故か富士山頂登頂上等で訓練じゃとピィピィやってたら息が苦しくなって僕はもう失神しそうですと言ったら先に師匠が山頂無理で心臓止まって仕方ないからマッサージしつつ師匠とファーストキス。
10月7日
#twnovel 僕の彼女は引き籠りだ。決して外には出ない。人が少ない夜でもだ。デートはいつも彼女の部屋。でも女の子らしい水玉の柄とか一切無く殺風景だ。だから今日は誕生日プレゼントに黒地に白い水玉のワンピースを買ってきた。「開けていい?」彼女はそれを手にして振り返る。その顔は狼。
10月6日
#twnovel 「笑顔のモト下さい」やっとそれを手に入れて、彼女の家に向かう。ドアを開けるなり彼女はもう眉毛の角度が急だ。だから僕はこの笑顔のモトを食べた。こうすれば君は笑顔。ほら、とてもいい笑顔。「浮気の説明するまで家に入れないから」彼女は笑顔なのに、何故か口調は変わらない。
10月5日
#twnovel いつからだろう。ずっと眠っていない。医者に診せても異状無しと言われる。彼女は心配して色々と快眠グッズを買ってきてくれるが、どれも眠るまでに至らない。だから私は毎晩彼女の寝顔を見ながら夜の静寂を過ごす。そのひと時が実は一番好きだ……。「お願い正昭。目を覚まして!」
10月4日
#twnovel 火星基地のジョージから返信が届いた。光速通信でも一月以上も掛かる。火星での生活も随分慣れたみたいで、私は安心して直ぐに返事を書く。『……望遠鏡で見つめるあの赤い星から私を想ってくれてますか? 私もあなたを……』それを受け取った火星人のムサは早速返事を作り始めた。
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