お知らせ・小説・ツイノベ・随筆・エッセイなど
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4月25日~5月1日投稿分のツイノベです。
5月1日
#twnovel 君はいつも「大丈夫だよ、そんなの」って。ちょっとだけ勇気貰って就職面接受かって、落ち込んだ朝も頑張って仕事に行けた。君が倒れて入院したって聞いて飛んで行くと「大丈夫」って。それは僕を安心させようとした笑顔の嘘。だから僕が代わりに強く手を握って「大丈夫だよ」って。
4月30日
#twnovel 昔の彼は大きくて無骨だった。移動するのにも車をよく使った。少し小さくなっても田舎への旅行は嫌いで。でもいつ頃からだろう。スリムになった彼は世界のどこでもいいよ、と云えるくらい素敵になった。今やどこでも気軽にタッチしてる。ただ長持ちしないのが彼の欠点。「あ、電話」
4月29日
#twnovel 生まれてから一年で五歳児のように大きくなった。前例の無い症状に先生たちは慌てた。凡そ一年で他人の五倍成長するらしい。「きっと誰よりも僕は早く死ぬんだ」初キスをしたその夜に彼女に告げたのが昨日のことのようだ。あれから五十年、まだ生きている。ずっと老体で生きている。
4月28日
#twnovel 今よりずっと昔。僕たちは鳥だった。何日も空を飛び、目的地に着く。でも途中で死んでしまうものもいてそれは過酷だった。時代が進むと電気になった。張り巡らされた線は僕たちを伝えた。やがてそれは電波になり宇宙を舞う。時代が変わっても僕らは同じものを伝え続ける。「好き」
4月27日
#twnovel ダイヤの採掘工が世界を救うって話どう? 彼女の提案に「それなんてハリウッドだよ」「森っぽいってこと?」「ただの森じゃなく聖なる森だよ」「林じゃいけない?」「そんな規模の小さなハリウッドはねえよ」「いや、林さんになってもいいかなって」彼女の手にはダイヤの指輪。
4月26日
#twnovel 私はいつでも好きな時に泣くことが出来た。それを利用して彼をゲットしたし、営業の仕事も上手くやってる。涙があれば人生なんて楽勝だと思っていた。けれど親友が突然亡くなって、その葬儀の席で私は泣けなかった。どんなに頑張っても。涙の量に限界があるなんて知らなかったのよ。
4月25日
#twnovel 道の脇には瓦礫が山だ。そこに登って棒を振り回すケンジは大人に怒られても関係無い。「さあ、かかってこい! オレがサイガイやっつけてやる!」でもケンジが闘う相手は目に見えない。僕はそんなケンジに「やめろ」って言うと彼は「ヒーローはどんな時も諦めないんだぜ」と笑った。
[0回]
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4月18日~24日投稿分のツイノベです。
4月24日
#twnovel わたしのあなたへの気持ち。十個の爪の色。燃えているそれ。線香の先。信号の三分の一。夕焼けは少し違う。カーネイションは薔薇より鮮やかで、ケーキに載った苺はプリンセス。大事に大事に、でも結局あなたに食べられる。甘い? 酸っぱい? ほら、手首から流れる、わたしの、赤。
4月23日
#twnovel 目線の上がった日。初めてヒールを履いた日。自転車に乗れた日。修学旅行で東京タワーに登った日。貴方に抱き上げられた日。息子に負んぶされた日。でもいつか目線は下がって、ベッドの中で夢を見る。気付くと貴方が、貴女が、あなたが、私を見下ろして、だから全然寂しくない。
4月22日
#twnovel 家から大切な物を一つだけ持って来なさい。そう伝えた引き籠りの息子は、手に何も持たずに避難所に戻って来た。「何も持って来なかったの?」そう怒ると、ちゃんと持って来たと言う。それは今年の秋にはいっぱい咲かそうねと私が買った、コスモスの種。「未来を、持って来たんだ」
4月21日
#twnovel 昔彼女に借りて、返さない内に別れてしまって結局そのまま手元に残っている文庫本があった。それを読み終えてない事に気付き、今度は最後までちゃんと読んでみる。なんてことない恋愛小説。すれ違い、最後は別れてしまう。これを僕に貸した時、彼女はこの結末を知っていたのだろう。
4月20日
#twnovel 桜散る。唯それだけの言葉がこんなにも悲しいのは、桜が特別な花だからだろう。花はそこら中で咲いているのに、何故か桜だけをこれ程に愛でる。もし桜の花が真っ赤だったり、青や黄色だったら、これ程の人気にはならなかっただろう。桜色は心をうきうきさせる。それは正に恋の色。
4月19日
#twnovel 【拡散希望】そう付け加え、君の夢を書いた。君はやめてよと怒ったがもう遅い。君の夢はどんどんRTされ、それは世界中の言語に翻訳されて広まった。そして今世界中の人により君のとても小さな夢は実現されようとしている。『喧嘩した人にごめんて謝って手を繋ぎ、一緒に空を見る』
4月18日
#twnovel 「恋愛募金はじめました」そう書かれた箱を手に駅前に立っていた少女に声を掛けた。「あなたの恋愛を他の恋人が出来ずに苦しんでいる人に分けてあげて下さい」大して恋愛してない僕だったが(彼女が可愛かったので)募金してみた。それから十年。僕の前で彼女は箱を手に笑っている。
[0回]
4月11日~17日投稿分のツイノベです。
4月17日
#twnovel 失恋したのを鈴木の所為にしたら鈴木は「悪ぃ」と謝り、僕を風俗に連れて行って「これで勘弁してくれ」と言ったけれど、金を持ってなくて僕が全額払わされ、挙句に「可愛くなかったからもう一軒」とか言う。「金どうすんだよ」翌日、鈴木は原発処理のバイトに出掛けた。そんな友達。
4月16日
#twnovel 埋まっていたタイムカプセルを掘り起こした。二十年前に書いた自分への手紙には「今は何も無いけれど、それでも元気と笑顔だけは持ってます。今の貴方は持ってますか?」と。一面瓦礫の山だったここに今、花が咲き、蝶が舞い、鳥が空を飛ぶ。子供も出来た。沢山、沢山、持ってるよ。
4月15日
#twnovel 床の上は没原稿の山だった。書いても書いても物語は体を成さない。諦めて随筆でもと思うが楽しい日常なんてここに無い。悩んだ挙句、私はその没原稿で本当の山を作った。没原稿の川が流れ、没原稿の花畑を、没原稿の蝶が舞う。そして一人の没原稿の女性が。「早く原稿書いて下さい」
4月14日
#twnovel 軽快な曲をBGMに海岸線を飛ばすが助手席の女の不機嫌なまま。甘いもの食べるかと聞くと「嫌」って言う。好きなもの買ってやると言うと「馬鹿」って返す。遊園地でも行くかと笑うと「子供じゃない」って泣く。彼女なら新しいのに変えるところが、五歳の娘じゃそうもいかないな。
4月13日
#twnovel 彼は「笑われ屋」をやっていた。彼を見れば誰もが笑い、口を開けば笑い声の花。でも私の前では一度も笑わない。「何故?」と尋ねても彼は只黙っていた。ある日私は内緒で彼のショウを見た。最前列で笑う私。それに気付いた彼は真っ赤で舞台を去る。「君にだけは笑われたくなかった」
4月12日
#twnovel 「ごめん」と走り去る彼女。最後と意気込んだマンガ賞にも落選して、仕事は来月で契約が終わる。どんなに幸せな物語書いても現実はこんなだ。涙すら出てきやしない。もう、俺終わ……(超展開)……捨てたマンガを拾った美女が俺を見てこう言った。「わたしと合体しない?」「はい」
4月11日
#twnovel アイタイ。口にすると会えそうな気がした。でも君が居ない現実は残酷で容赦無くて、私を泣かす。別に愛してくれなくても、笑ってくれなくても、喧嘩してても、背中だけでもいい。傍にイタイ。唯それだけの事がこんなにも贅沢で悲しくて、それを幸せと知らなかった自分を叩きたい。
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4月4日~10日投稿分のツイノベです。
4月10日
#twnovel 彼女は海の近くで暮らしたいと言う。僕は日光は苦手だと反論する。いつだって問題は別のところに転がっていて、喧嘩の種はそこら中に見つかる。「結婚なんて考えなければいいのに」でもそれ以外の愛の示し方を知らない。吸血鬼は人魚にはなれない。「血、飲む?」と彼女は笑った。
4月9日
#twnovel 「そろそろ殉職するか?」刑事ドラマに出演して約一年。台本には仲間に撃たれて死ぬと。撮影当日「何故お前が!」バン。脇腹から派手に飛び散る血糊。だが俺はもだえながら応戦した。「絶対死なねえ」何とか無理矢理殉職のシーンを乗り切った。それから一月後ドラマが打ち切られた。
4月8日
#twnovel この家を買った時に庭に植えた桜は花をつけなくなった。離婚届を用意してこの家も売り払うつもりだから別に構わないけど。「どうして咲かなくなったんだろうな」「あなたが浮気で忙しかったから」「おい」いつも口論。最後くらいと互いに手を握る。見ると桜が一輪だけ、咲いていた。
4月7日
#twnovel 持ち出したのはこのギター1本だけだった。他には無い。免許証も財布も、売れ残りのCDも。全て瓦礫の下。避難所では不謹慎だと言われるから、適当な瓦礫の山に腰掛けてギターを弾く。自分の名前も、悲しみも喜びも全て忘れてしまってもよかったけど、音楽だけは忘れたくなかった。
4月6日
#twnovel 彼が楽しそうに家の模型を作っていた。私には夫の趣味なんて理解出来無いけど、落ち込んで酒を飲んでた頃よりマシだと思う。新しい家は綺麗だけど、綺麗過ぎて落ち着かない。「出来た」それは壊れたあの家だった。「思い出は腐らないだろ」模型に鼻を近づけると、接着剤臭かった。
4月5日
#twnovel 悲しいニュースが毎日流れる。もう感覚が麻痺して数字にも「死」という単語にも特別な感慨は持てない。募金箱に釣銭を入れ、停電してない家に帰ってほっと一息。携帯にはバイト先で仲良くなった女子からメイルが届いていて、今度一緒に遊びに行こうって。僕はその日常を削除した。
4月4日
#twnovel 「恋よ」と君が言うから行ってみたら「寂しいよ」と泣くから抱き締めて「優しいよ」と困るから離れて「酷いよ」と怒るからまた戻って「分からないよ」と不機嫌だから説明すると「言葉ばかりだよ」と非難するから「さよならだ」と別れて。久しぶりの電話の声は「愛」たいよ。
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3月28日~4月3日投稿分のツイノベです。
4月3日
#twnovel 新学年になっても僕と彼女の距離は変わらなかった。同じ教室の中、窓際の彼女、廊下側の僕。それを縮める為の「す」から始まる言葉を僕は未だ言えずにいる。夕陽に染まる教室、忘れ物を取りに来た彼女と目が合う。今しかない。僕は勇気を声に変えた。「水魚の交わりって知ってる?」
4月2日
#twnovel よくここで転び泣いた彼女。初恋の恋文は届かず、初デートの時キスを失敗して唇を切った。卒業式後に親友と真っ暗になるまで話していたね。大学から帰った君は髪を切って印象が変わっていた。今、スーツ姿の君は久しぶりに僕を見上げ「いってきます」。僕はぽっと桜色の花を開いた。
4月1日
#twnovel 今日は嘘をつかないと死刑になる日らしい。そんな日に式の予行演習したいとか馬鹿か。「さ、永遠の愛を誓って」「誓う」「あ、嘘」「いや本当だって」「それも嘘」「あのな」「私は圭のこと嫌いだよ」「だから今日嘘をついたら死刑になるから俺は」「それ、嘘」「どれのことだよ?」
3月31日
#twnovel 踏み切りで立ち止まり隣を見ると、死神が立っていた。「殺すのか?」「もう死にかけている。それを迎えに行くだけだ」俺は病院で待つ彼女の名を告げる。「そうだ」と死神。「代わりに俺が死ねば?」死神は笑うだけだ。俺が線路に飛び込もうとした時、携帯が鳴った。彼女からだった。
3月30日
#twnovel 画面の中で大人たちが激しく罵り合う。それは誰かを助ける為じゃ無く、互いの利権や立場を守る為の言い訳。まだ低学年の弟はぎゅっと手を握り「ケンカいくない」と言う。また携帯電話が鳴る。でも「ケンカいくない」と弟は繰り返す。俺は携帯の電源を切り「飯でも食うか」と笑った。
3月29日
#twnovel 朝靄漂う玄関前、わたしは冷たい手を擦り合わせる。小鳥が鳴いて羽ばたき、角の煙草屋のメルは遠吠え。牛乳屋の軽トラが背に載せたビンをちゃかちゃかいわせて通り過ぎる。そんな中、ほ、ほ、ほと規則正しい呼吸。彼が来た。懐から新聞を取り出して「おはよう」素敵な一日の始まり。
3月28日
#twnovel この気持ちに気づいて欲しい。でも簡単に口に出来無いから何とかこの視線で彼に分かって欲しいの。けどその努力は怪訝な彼の表情に掻き消される。だから小さく唇を動かしてみた。「何だよ?」今にも怒り出しそうな彼。電車の中で立ち上がる彼。「ごめんなさい。でもあなたの社会のま
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凪司工房のサイトに、今までのような掌編では無く、少し分量のある作品を書きました。童話でタイトルは「朝日の昇らない砂漠で」です。
これは以前某SNSで書いたものをこのサイト用に加工して載せたものです。
朝日が昇らない砂漠。そこで暮らす雪娘という少女の、悲しい、でも温かい童話です。宜しければお読み下さいませ。
「朝日の昇らない砂漠で」 (C)2011凪司工房
(2014.7.26 リンク更新)
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3月21日~27日までのツイノベです。
3月27日
#twnovel 「引っ掛かる方が悪いんだ」くすねたキャッシュカードで全額を引き出した俺は、それをゴミ箱に投げ捨てる。気付けば詐欺師という商売に染まっていた。そんな俺も家に戻れば新婚一カ月の夫。「ただいま」だがマンションはもぬけの殻。そして床には離婚届と「全額頂きました」のメモ。
3月26日
#twnovel 真っ黒に塗りたくった画用紙に君は色の付いた砂を撒いていた。画用紙は色とりどりの砂で満たされ黒は殆ど消える。君は「見てな」と笑ってそれを吹く。部屋が汚れるのも気にせず沢山宙に舞う砂はキラキラとして綺麗だ。「ほら」画用紙には星空が広がり、「愛」の字が浮かんでいた。
3月25日
#twnovel 相変わらず下手ね、と妻は暴投で僕を走らせておいて笑う。それでも「ごめん」と謝る僕も笑顔だ。学生時代に野球部マネージャーの彼女。諦めかけた僕に「キャッチボールしよ」と笑ってくれた彼女のお陰で、今は草野球チームのエースだ。「ねえ、もう一つグローブ買う? 小さいの」
3月24日
#twnovel 明け方に点けたラジオから聴こえてきた歌声は、昔彼女と二人でライブに行った歌手のヒット曲だった。あの頃夢中だった曲はいつしか懐メロになり、思い出という箱の中に仕舞われている。久しぶりに聴いてみようかなと物置を探していると、見つけたのは今の嫁に送った自作曲の楽譜。
3月23日
#twnovel 近所の佐伯由利が結婚したと聞いた。たぶん綺麗な花嫁姿だったろう。「いつまでも変わらないよ」そう言った彼女は子供の頃の夢の通りケーキ屋で働き結婚して、再来年辺りには子供を生むのだろう。バイト雑誌を投げ出し、携帯電話。あの頃と変わらない「おめでとう」は言えないけど。
3月22日
#twnovel ライブのチケットを貰った。でもそれにYesと答える事は彼の気持ちに応える事のような気がして、開始二時間前になっても家を出られずにいる。それは恋かと訊ねる自分に違うと答え、嫌いなのと訊く自分にはそうじゃ無いと答える。「こい」というメイルに私は「あいは?」と返した。
3月21日
#twnovel 実家で荷物を片付けていたら途中で諦めたRPGゲームが出て来た。レベル上げが苦痛で放り出したそれを、大学卒業しようという今になってやってみる。ちゃちな画面と音が懐かしくて、でもあっさりラスボス倒してエンディングもちゃちで。「なあ母さん。俺もうちょい就職頑張るわ」
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