140字の中にどこまで情報が詰め込めるか。出来るだけこの短い文字数の中でも濃いものを、と考えています。ただシンプルさがやはりツイノベは肝だと思うので、それも忘れないように。
今週分(9月13日~9月19日投稿分)は7編です。
9月19日
#twnovel 「今度父さんとコラボすることになったん」母が何を言い出すのかと思ったら町内会の飲み会の話だった。俺は適当に「得意なことやれば?」と。週明け、何故か近所のおばさんに笑われる。母に訊くと「私はピアノ。父さんはああ見えてバレエが得意でな」じゃあ干してあった白タイツは。
9月18日
#twnovel 「暗くなるの早くなったな」散歩帰り、四つ葉のクローバーは見つからなかった。お父さんの手は大きくて、僕の手なんか十個くらい掴み取り出来そうなんだけど、そのお父さんもお母さんに敵わない。「ただいま」「おかえり」出迎えたお母さんのエプロンには沢山の四つ葉があった。
9月17日
#twnovel 夏休み最後の日、勇平が近所の花火を全て買い占めて公園に俺らを集めた。「これやんなきゃ夏終わんないだろ」夕暮れ時から始まった花火大会は二時間ほど楽しんで、最後の線香花火を残すだけとなった。「俺、転校するんだ」その勇平の言葉で一気にしんみりした場に、火の涙が落ちた。
9月16日
#twnovel 今は便利になったものだと単身赴任で離れている父とネット電話で話している母は言った。「昔の遠距離恋愛はね3分180円の恋だったのよ」そんな父に最近浮気疑惑があると言う。電話を終えた母は、早速追跡ソフトで父のネット動向を探る。父が検索した文字は「格安 デリヘル」。
9月15日
#twnovel 五年前に北海道で捨てられた犬が引っ越した先の東京の家に! そのニュースで瞬く間に橿原家は有名になったが、会う人会う人にタロウのことを訊かれ暗澹たる気分になる。「ねえママ。どうしてタロウはうちに帰ってこなかったの?」タロウが辿り着いたのは家出した姉のキャバクラ。
9月14日
#twnovel 逆にされた砂時計からは砂が落ちていなかった。君は笑って「ずっとこのままならいいじゃない」と言ったけれど、このままなら友達のままだね。だから僕はこっそりその砂時計を元に戻した。あれから三年。君は病院で僕を待つ。直した結婚指輪は細くなった指に合うだろうか。
9月13日
#twnovel 初恋は女の子だった。それが異常なこととは思わなくて、でもそれは違って、だから貴方を選んだんだ。ベッドに一緒に入った貴方は温かかったけれど、私の扉は固く開かなかった。流れた血よりもずっと傷ついた心がまだヒリヒリとするから、これはさよならのキス。私はわたしに戻るね。
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