140文字なので、オチが秀逸な方が好まれるのでしょうが、個人的にはじっくり味わえるものも好きなので、そんなタイプのものも増えつつありますね。苦笑です。
今週分(8月23日~8月29日投稿分)は番外編1つ加えて8編です。
8月29日
#twnovel 今から死にます。アスファルトにそう書いてあった。嫌な悪戯だ。そう思ったが、続きがあったのでずっと歩いて行った。そこには学校で苛められたことや親や先生が何もしてくれなかったこと等が書いてあったが、最後に「ありがとう、雅史君」それを目にし僕は慌てて携帯を取り出した。
8月28日
#twnovel 「宮ちゃん!」夏祭の帰り、君の姿を見かけた気がして、僕は暗がりも構わず橋を渡った。月明かりの森。彼女が事故に遭ったのもこんな夜だったっけ。「宮ちゃんはもう居ないんだよ」追いかけてきた友美は、僕と二人で息を止めた。そこに君は居て、君の微笑は光に包まれた。蛍の光に。
8月27日
#twnovel もう壊れてしまうんだね。彼女は泣きながらそれでも僕を貫く。体液は何度も噴き出しシーツを汚したけれど、もう洗濯はしてあげられない。それを復讐だと言った君は何度も唇を吸う。どんどん冷たくなる体から悪魔は消えてゆく。それが君の望みだったんだろう? 笑った君の牙は光る。
8月26日(番外編)
自然の音
#twnovel 何でもない海の、波の音と、君の笑顔。言葉なんて無粋な音なんだと気づいたけど、君に何か伝える為におならじゃ悪いね。だからやっぱり言葉を使う(君は人前でキスしたがらない)。でも僕はあまり人前で愛を語りたくなくて……なんて迷っていたら蝉が精一杯の愛の叫び。
8月26日
#twnovel 三番ホームに電車が入ります……」そこはもう廃線になった駅だった。それでも私はアナウンス通り電車を待つ。暫くして発車のアナウンスがなされ、風が吹き抜けた。私の迎えの電車はまた来なかった。「落し物ですよ」駅員が渡してくれたのは一通の封筒で「遺書」とあった。
8月25日
#twnovel 女が男とラブホテルから出てきた。それをカメラに収め、ボスに報告する。これで今日の仕事は終了。また一つ夫婦が別れるのか。そんなことを思っていると携帯電話が震えた。「あなた、この名刺何なの? 杉山探偵事務所って……まさか私のこと疑ってる?」妻には内緒の仕事だった。
8月24日
#twnovel 「嘘をついたら貧乏になるんだぞ」四歳の娘に言い聞かせ、俺はその噂を尋問した。「彼氏がいるのか?」「うん」「それはミツル君か?」「それもいるけど、タケルとショウもいるよ」「浮気か?」「浮気はお父さんでしょ」「いや、俺は」「だからうちは貧乏なのね」妻が立っていた。
8月23日
#twnovel スポットライトの中でマイクを握り、彼女は歓声を全身に浴びる。褒め称えなさい。なじりなさい。コスプレでもオナペットでも女神でも妄想の彼女にでもなりましょう。お前らが金を出すほどに私は萌える。「さあ、いくよ!」彼女の名が刻まれた命の蝋燭は激しく燃え、間もなく尽きる。
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