昨日書くのを忘れていましたが、先週分(10月11日~10月17日投稿分)のツイノベ、特別編を1編入れて8編です。
10月17日
#twnovel その瞬間、世界は全てスロウになった。走り出した彼女に伸ばした手は届かず、言い訳の声は喉を上がってこない。出来心と呼ぶにはあまりにも深入りし過ぎた。駆け出そうとしたが手はもう一人の女に掴まれ、でも女だと思って振り返ったらそれは悪魔だった。嗤った口はどこまでも赤く。
10月16日
#twnovel 最初は単なる水溜り。けれどいつの間にかそれはひょろひょろとした流れになり、やがて川となって君と僕を隔てた。今、川は河となり水を湛えて勢いよく流れている。君は向こう岸で寂しげに笑ってこっちを見ていた。河に飛び込めば良かったのか。喩えその先が地獄だと知っていても。
10月15日(特別編)
迷惑メイル
#twnovel 画面には新着メイルのお知らせ。彼女かと思ったら迷惑メイルだった。近頃随分増えたけれど件名を見て苦笑。『交通費全部私が持つので一緒にドライブして下さい』ここから幾ら掛かるだろう。窓の外を隕石が横切った。おそらく地球に行くだけで億単位の費用が掛かる筈だ。
10月15日
#twnovel 夜にしか会えない君は、出来れば星の光を全て消してしまいたいと言ったね。でも僕の瞳を独占しても、君は四週間もすると顔を背けてしまうんだ。毎夜少しずつ表情を変える君を僕は今宵も写真に収める。その陰のある表情も、柔らかい微笑も、いつも変わらぬ距離で僕に向けられている。
10月14日
#twnvday 自由に時間旅行が出来るようになったものの、それは未来に行くことが出来るだけの一方通行。駅のホームで列車に乗り込む君は未来の僕なら相手に選んでくれるのだろうか。二十の歳の差は彼女にとっては障害だった。もう発車だ。結果を僕は確かめられないけど、未来の僕に宜しく。
10月13日
#twnovel 20XX年十月某日、東京上空には不穏な雲が渦巻いていた。男はスタバでエスプレッソを飲み干すと一路、霞ヶ関へと向かう。中国の動向、検察の不祥事、各政党内では水面下で思惑が跋扈しているという。一筋の雷光。男は何かが起こりそうな予感に唇を曲げた。「あ、誰や犬の糞を!」
10月12日
#twnovel 「救世主があらわれた!」フリーズしたゲーム画面の前にフンドシ姿の男が立つ。「優柔不断な君に代わり私がコンセントを抜いてあげよう」だが男が引き抜いたのは俺の魂。気が付くと病室で、別れた彼女が泣き叫んでいた。「死にそうになるほどゲームしないで」俺は彼女の頭を撫でた。
10月11日
#twnovel クラスに一人くらい居るでしょ、山田って。その山田君がさ、またドジでバカ正直で不器用でおまけに鈍足。運動会の全員リレーで山田が走ると「ああ駄目だ」って。その上転ぶし。でもなんか一生懸命走って最後には大拍手。思い出すよね。「え? うん。山田になってもいいかなって」
[0回]
PR