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凪司工房の徒然

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Ren'Py はじめます。 第5回 -君に会いに行く-




「たとえどんなに遠くに君がいても会いにいくよ」

「ありがとう」

「でも交通費は君もちね」

「……来なくていいから」



(記事本編は↓の続きを読むよりお願いします)

拍手[0回]





「1週間ぶりですが、春はどこですか? もうそこまで来てますか? 凪司工房です」

「という訳でブログ企画『Ren'Pyはじめます。』第5回

「え? 補講はどうした?」

「補講なんて必要ないんです。偉い人にはわからんとですよ」

「いや、そうでなく、今回は第4回に詰め込みきれなかった内容なんで、補講はその後にまとめてやってしまおうと思ったので、」

「第5回です!」

「まずは前回のあらすじ」


前回のあらすじ:

「わたし……キレイ?」
「えっと……」
「ねえ……キレイって言って。言ってよ……」
「綺麗だよ」
「あなたもキレイにしてあげましょうか!」



「ぎゃあああぁぁぁぁ……」

「過去なんて振り返るばかりがいいとは限りません。時にはきれいさっぱり忘れ去ってしまうことも必要ですね」

(何の話や……)

「とまあ、やっとビジュアルがついて、それらしいものになってきました」

「ただ前回では単純に背景や人物画像を表示するだけだったので」

「今回はその表示の仕方について、少しやってみましょう」

「え? 表示の仕方って何だってばよ?」

「まあこれを最後まで読んでくれて、Ren'Pyをいじってみれば分かります」

「分かりますよ……きっと」

(意味不明な間)

(※という訳で第4回で使ったscript.rpyと画像群を今回使っています)





STEP1:ゆっくり画像を表示しよう

 ・画像に効果をつけて表示したい時は withを使います

 ・一般的な効果としてフェードイン、フェードアウトがありますが、その場合は「with fade」です

「では一番最初の城の背景を表示するところで、例を示します」


scene bg castle with fade


「赤字の部分が付け加えるところです」

「実際にやって見てみるのが一番分かりやすいのですが、これで背景画像が表示される時にフェードインの効果がついて表示されます」

「これは背景にフェードインを付けましたが、普通の人物画像の時にも同じようにしてフェードイン効果を与えられます」


show king at left with fade


「これでよりビジュアル・ノベルっぽくなりましたね」

「画像表示の際に何か効果をつけるやり方の、これが基本となります」

「よく使うものでは他に dissolveがあります」

「これは全体が一気に表示されずにバラバラに表示されていくものです」





STEP2:ゆっくり画像を消そう

 ・画像を消す場合は「hide」を使います

「第4回では説明しませんでしたが、表示した画像を消したい場合があると思います」

「そういう場合にこのhideを使いますが、hideもまた同じようにwithで効果をつけることが出来ます」


hide soldier with fade


「王様が兵士に命じた後で”承知しました!”と言って消える様を、これで表現してみましょう」

「フェードアウトになっています」

「が、フェードアウトだと画面全体が暗くなってしまうので、何か妙ですよね?」

「という訳で、ここはdissolveにしておきましょう」

「……どうですか? こっちの方がより”らしい”でしょう?」

「こんな風に画像に効果をつける作業は確認しながらやっていくことが必要となります」

「つまり画像を扱うようになると、表示具合、効果の印象を鑑みて、色々と微調整が必要になります」

「大変ですね」

「でもその大変さが、自分の思った通りのものや想像以上のものが創れた時に、一気にカタルシスへと転化するのです」

「創作はムチ、ムチ、ムチ、ムチ、アメ……みたいな感じですね」





STEP3:まとめて効果をつける

 ・「with」で表示の効果がつけられますが、これはその前で表示しろと命じられているものにまとめて同じ効果を与えてくれます

「なので、例えば画面に一気にフェードインで表示したい時はこうします」


scene bg castle
show king at left
show soldier at right
with fade


「これは最初に王様と兵士が表示される場面ですが、背景と一緒に同時にフェードインして表示されます」

「一つ一つをフェードインで表示した場合はいちいち画面が暗くなっていて変でしたが、これだとすっきりしていますね」

「ただここで疑問点があると思います。全部をフェードインしたい訳じゃない場合はどうするか」

「そんな時は with None を使います」

「では書き換えてみましょう」


scene bg castle
with None
show king at left
show soldier at right
with dissolve


「フェードインだと効果が分かり辛いのでdissolveにしてみました。withより前に書かれた表示画像はその効果となるので、背景は何もせず普通に表示、そしてあとは一気にdissolveで表示という風になっています」

「何も書かない時には with None となっていると思ってもらって構いません」

「なので効果をつける時に、中に効果をつけたくないものがある時は、こう書くということですね」





STEP4:インしてみる

 ・動きをつけて表示したい場合に右や左などから入ってくる「ムーブイン」というものがあります

 ・「with moveinright」などと書きます

 ・movein の後に続けて「top/bottom/right/left」と書きます

「ではこれも最初の兵士が登場する場面でやってみます」


scene bg castle
with None
show king at left
with dissolve
show soldier at right with moveinright


「これは向かって画面右側から入ってきてくれます」

「moveinの後は必ず上下左右のどれかをつけて下さい」

「またはける時にはmoveoutもあります」


soldier "承知しました!"
hide soldier with moveoutleft


「これで兵士さんは王様の前を通って去って行ってくれます」

「動きがつくと何とも”らしく”なりますね」

「少し楽しくなってきたでしょうか?」

(もうちょっと細かく動かしたいとか、ポジションの微調整とか、例えば剣を胸に向かって飛ばすなり、血が吹き出た映像をかぶせるなり、そういったことはもうちょっと後になってから説明します。ここまでより若干複雑になるので)





STEP5:今回のコード

「ではちょっと短かったかも知れませんが、今回は画像に効果をつける、についてやってみました」

「それを加えたコードを以下に書いておきます。またコピペして見てみて下さい」

「fade や dissolve 以外にも使えそうなものをやたらと使ってみています」

「実際に動かしてみて参考にして下さいね」


# You can place the script of your game in this file.

# Setting Japanese
init:
$ style.default.font = "VL-PGothic-Regular.ttf"
$ style.default.language = "eastasian" # 日本語禁則処理

# Declare images below this line, using the image statement.←画像定義
# 背景
image bg castle = "img/gyokuza.png"
image bg bar = "img/sakaba.png"
image bg inn = "img/yado.png"
image bg forest = "img/mori.png"
image bg ma_castle = "img/maoujou.png"
# 人物
image king = "img/king.png"
image soldier = "img/soldier.png"
image hero = "img/yusha.png"
image witch = "img/witch.png"
image priest = "img/priest.png"
image innman = "img/yadofu.png"
image maou = "img/maou.png"

# Declare characters used by this game.←名前定義だよ
define king = Character('王', color="#ff9900")
define soldier = Character('兵士', color="#009900")
define u = Character('勇者', color="#0000ff")
define wiz = Character('魔法使い', color="#ffdd00")
define pre = Character('僧侶', color="#ff00ff")
define inn = Character('宿夫')
define M = Character('魔王', color="#9900ff")

# The game starts here.
label start:
scene black
"この物語は一人の魔王と、一人の勇者の、汗と涙と血と骨と肉の物語である。"
"この国では国民から魔王と戦う勇者を選出し、永きに渡り魔王と戦ってきた。"
scene bg castle with fade
show king at left
show soldier at right
with dissolve
king "次の勇者はこの者だ。探し出してここに連れてこい!"
soldier "承知しました!"
hide soldier with moveoutleft
king "ふぅ・・・"
scene black
"こうして第156代目の勇者にあなたは選出されたのである。"
scene bg castle
show king at left
show hero at right
with pixellate
u "えっと、何すか?"
king "お前は第156代目の勇者に選ばれたのだ。さっさと魔王と戦って世界平和を取り戻せ!"
u "えー、そんな面倒な。"
king "もし魔王を倒したらその暁には何なりと望みを叶えよう。"
u "よしわかった。商談成立だな。"
king "では手続きを済ませて、さっさと魔王討伐の旅へ出ろ。"
u "もし俺が魔王を倒して帰ってきたら、まずお前のその命令口調なおしてやっからな。"
scene black with pixellate
"こうして勇者は旅の準備をしに酒場へ向かった。"

jump sakaba

label sakaba:
scene bg bar with blinds
"酒場にやってきた勇者だったが、そこで勇者は二人のよく知る女性を見かける。"
"一人は今付き合っている彼女の金髪の魔法使いだ。"
show witch at left with wipeleft
"もう一人は寂しそうにバーカウンターに座っている元彼女の紫髪の僧侶。"
show priest at right with wiperight

"あなたはどちらに話しかける?"
menu:
"今の彼女の金髪の魔法使い":
hide priest with easeoutright
$ girl_friend = 1
jump ima_kano
"昔の彼女の紫髪の僧侶":
hide witch with easeoutleft
$ girl_friend = 2
jump moto_kano

label ima_kano:
show hero at right with zoomin
u "飲みにくるなんて珍しいな。"
wiz "あんた、私を置いて旅に出るつもりだったんでしょ?"
u "危険な旅に連れてけないよ。"
wiz "この前ずっと一緒にいようって言ってたじゃない!"
u "酔ってたんだよ。"
wiz "死ぬ時は一緒だから。"
u "何言うんだよ、縁起悪いな。"
wiz "私、一緒に行くから。"
"魔法使いが仲間になった!"

jump trip1

label moto_kano:
show hero at left with zoomin
u "久しぶり、だな。"
pre "あ……。勇者に選ばれたんだよね?"
u "ああ。世界を救うことになっちまった。"
pre "あの頃言ってたホラが、叶っちゃったね。"
u "最近はどうなんだよ?"
pre "どうって……別に。"
u "また悪い男につかまってんじゃないのかよ。"
pre "だったら何?"
u "もうやめろよ、そういうの。"
pre "じゃあ、勇者と一緒に冒険の旅に出ちゃおうかな。"
u "……いいぜ。"
pre "ほんとに? ほんとのほんと?"
u "ああ。"
"僧侶が仲間になった!"

jump trip1

label trip1:
scene black
"勇者は仲間と共に魔王討伐の旅に出かけた。"
"行く先々で魔王の配下に苦しめられている町や村を救いながら、進んだ。"
"とある村に泊まった夜のことだった。"

jump shuraba

label shuraba:
if girl_friend == 1:
jump shuraba_imakano
if girl_friend == 2:
jump shuraba_motokano

label shuraba_imakano:
scene bg inn
show witch at left
show hero at right
with slideleft
u "何だよ、話って?"
wiz "あのね……アレが、ないの。" with vpunch
u "何か前の村に忘れ物か?"
wiz "ソレがさ、きちゃったみたいなの。"
u "忘れ物が? 歩いてきたのか?"
wiz "お前の赤ん坊が出来たって言ってんだよ!" with hpunch
u "えっと……マジか?"
wiz "結婚する? ねえ結婚しちゃう?"
menu:
"はい":
scene black
"翌日、勇者と魔法使いは村で小さな式を挙げた。"
"こうして二人は冒険の旅から新婚旅行へとその目的を切り替えた。"
jump ending
"いいえ":
scene black
"翌日、勇者の撲殺死体が発見された。"
"犯人は見つかっていないが、王国では既に次の勇者選考が行われているそうだ。"
jump ending

label shuraba_motokano:
scene bg inn
show hero at left
with slideright
u "あれ? 僧侶どこ行ったんだ?"
scene bg forest
show priest at right
show innman
"勇者が宿の外に出てみると、そこでは僧侶と宿屋の息子が抱き合っていた。"
show hero at left
u "おい! 何してんだ!"
pre "あ、勇者。ごめん……。"
u "ごめんじゃなくて何か言えよ。"
inn "彼女は悪くない。オレが、宿屋を継がずにいれば……。"
pre "彼と、付き合ってたの……。"
u "ごめんじゃなくて何か言えよ。"
inn "……。"
pre "……。"
u "何なんだよ! これじゃ俺が悪者じゃないか!"
"宿屋の息子をぶち殺しますか?"
menu:
"はい":
scene black
"宿屋の息子は意外と強かった。"
"敗れた勇者は一人寂しく、傷心の旅へと出かけたが、"
"勇者のその後を知る者は誰もいない。"
jump ending
"いいえ":
scene black
"翌朝、勇者はひっそりと村を出て行った。"
"僧侶と宿屋の息子の毒殺死体が見つかったが、その犯人はまだ見つかっていない。"
jump ending

label ending:
scene black
"一方その頃、魔王の城では……"
scene bg ma_castle with irisin
show maou
M "勇者君まだ来ないの? もう待ちくたびれちゃったよお。"
"魔王はそのあまりの退屈さに一億と三千二百六十四回目の欠伸をかみ殺した。"

"END"
return


「画像関係の操作はたくさんあります。また自分で作ることも出来ます」

「Ren'Pyには基本的な動きなら簡単に出来るよう、予めそういった命令群が準備されているので、めちゃくちゃ凝ったものを作ろうと考えなければ、案外楽に作ることが出来ると思います」

「こういった作りやすいツールを間口にして、ちょっと作ってみようかな、とか、何かやってみよう、という魂を呼び覚ますのもいいかも知れませんよ」

「新しいシステムや道具は色々な意欲を呼び起こしてくれます」

「趣味でやろうって人も、ちょっとプロ目指してみるかって人も、今は色々な道具があるので、その道具の特性を見極めて、自分に合ったものを選ぶ、というのが大事になってきますね」

「という訳で次回予告!」


『第6回 -俺の鼓動が聴こえるか?-』


「耳を澄ませば……そこにバロンがいてくれるから」




「の補講 第6.5回」
「第6回 -俺の鼓動が聴こえるか?-」
「の補講 第5.5回」
「第5回 -君に会いに行く-」
「第4回 -魔女の誘惑-」
「の補講 第3.5回」
「第3回 -出会いと別れ-」
「の補講 第2.5回」
「第2回 -そんな話は聞いてない-」
「の補講 第1.5回」
「第1回 -魔王現る-」
「第0回 -1人の敗者-」
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