4月18日~24日投稿分のツイノベです。
4月24日
#twnovel わたしのあなたへの気持ち。十個の爪の色。燃えているそれ。線香の先。信号の三分の一。夕焼けは少し違う。カーネイションは薔薇より鮮やかで、ケーキに載った苺はプリンセス。大事に大事に、でも結局あなたに食べられる。甘い? 酸っぱい? ほら、手首から流れる、わたしの、赤。
4月23日
#twnovel 目線の上がった日。初めてヒールを履いた日。自転車に乗れた日。修学旅行で東京タワーに登った日。貴方に抱き上げられた日。息子に負んぶされた日。でもいつか目線は下がって、ベッドの中で夢を見る。気付くと貴方が、貴女が、あなたが、私を見下ろして、だから全然寂しくない。
4月22日
#twnovel 家から大切な物を一つだけ持って来なさい。そう伝えた引き籠りの息子は、手に何も持たずに避難所に戻って来た。「何も持って来なかったの?」そう怒ると、ちゃんと持って来たと言う。それは今年の秋にはいっぱい咲かそうねと私が買った、コスモスの種。「未来を、持って来たんだ」
4月21日
#twnovel 昔彼女に借りて、返さない内に別れてしまって結局そのまま手元に残っている文庫本があった。それを読み終えてない事に気付き、今度は最後までちゃんと読んでみる。なんてことない恋愛小説。すれ違い、最後は別れてしまう。これを僕に貸した時、彼女はこの結末を知っていたのだろう。
4月20日
#twnovel 桜散る。唯それだけの言葉がこんなにも悲しいのは、桜が特別な花だからだろう。花はそこら中で咲いているのに、何故か桜だけをこれ程に愛でる。もし桜の花が真っ赤だったり、青や黄色だったら、これ程の人気にはならなかっただろう。桜色は心をうきうきさせる。それは正に恋の色。
4月19日
#twnovel 【拡散希望】そう付け加え、君の夢を書いた。君はやめてよと怒ったがもう遅い。君の夢はどんどんRTされ、それは世界中の言語に翻訳されて広まった。そして今世界中の人により君のとても小さな夢は実現されようとしている。『喧嘩した人にごめんて謝って手を繋ぎ、一緒に空を見る』
4月18日
#twnovel 「恋愛募金はじめました」そう書かれた箱を手に駅前に立っていた少女に声を掛けた。「あなたの恋愛を他の恋人が出来ずに苦しんでいる人に分けてあげて下さい」大して恋愛してない僕だったが(彼女が可愛かったので)募金してみた。それから十年。僕の前で彼女は箱を手に笑っている。
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