6月13日~19日投稿分のツイノベです。
2011.6.19.sun
#twnovel 風邪一つ引かなかった彼女が苦しんでいた。「苦しくなる薬」を買ったらしい。僕に心配してもらいたかったって。でも何度も薬で苦しむから僕は徐々に慣れ、彼女は徐々に強い薬を求めて更に苦しむ姿を見せるようになった。その半年後彼女は最も苦しくなる薬を飲む。そして僕は死んだ。
2011.6.18.sat
#twnovel 絶対に当たるという宝くじを買った。勿論世の中に「絶対」なんて無いのは分かっていた。でもそれは半端者の弟がどうしてもと頼んだから買ったのだ。だがその宝くじは一等が当たってしまった。私は大金持ちになったが、間違えて当たりくじを売った弟はその後、消息不明となった。
2011.6.17.fri
#twnovel 別れた彼女の笑顔が残ったデジカメで出会う人の笑顔を写していった。「笑ってれば幸せになれるよ」彼女の言葉がいつまでも耳から離れなくてね。それはやがて「笑顔募金」として世界中から笑顔が送られてくるようになり、集まった百万以上の笑顔を飾ると彼女の遺影も喜んで見えた。
2011.6.16.thu
#twnovel ノストラダムスの末裔を始めとする終末論者たちが一同に会して本当のところいつがその「終末の日」なのかを議論したらしい。それぞれ持論を展開して一カ月後から十年、百年後まで様々だった。結局終末の日は決まらず、また集まることを約束し、別れた。勿論まだ終末は訪れていない。
2011.6.15.wed
#twnovel 最近彼女の元気が無い。きっと奴の所為だ。でも僕には何も出来ない。電話に出る時だけ彼女は笑顔だけど、そこには寂しさの成分が混ざっている。次の日曜、奴が帰って来た。奴を出迎えた彼女は奴に預けていた笑顔を久しぶりに取り戻し、僕にとびきりのドッグフードを与えてくれた。
2011.6.14.tue
#twnovel あれからボランティアの人と友達になった。あれからご飯の美味しさを知った。あれから400億超の義援金が集まった。あれから知らない人と挨拶するようになった。あれから彼女にプロポーズをした。あれから……意外と捨てたもんじゃないこの世界って思った。
#twnvday2011.6.13.mon
#twnovel 思い切り車で撥ねられてアスファルトの上に俺は転がる。某俳優のスタントとは云え、最近アクションものばかりに出るから、俺は毎月病院と仲が良い。その俳優がある日俺を呼び出してこんなことを言った。「俺の身代わりに、あの女と結婚してくれ」その美女は何故か宙に浮いていた。
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