オチがしっかり効いているものの方が好まれるのかな、と思いつつも、心気ままに書いてしまう140字であります。
今週分(12月13日~19日投稿分)は番外編2つを加えて9編です。
12月19日
#twnovel 目の前の彼女はじっと僕を見つめ何も言わない。(違うの、ほんとはいっぱいいっぱい話したいの。あなたが好きって言いたい。でも急に来るから昼ご飯の焼きそばの青海苔が付いてたら困るし、キスなんて出来ないから口開けないの!)「ごめん。僕、餃子食べたからきっと臭いんだね」
12月18日(番外編)
ブラックバス
#twnovel ブラックバスがレッドリストに! その記事に時代は変わったと感じる。遺伝子操作でマグロ味に改造されたブラックバスは乱獲が響き、今では希少種指定。「かつては嫌われ者だったんだぜ」そう言うと息子は「こんなに美味しいのに?」と冷凍ブラックバスをぱくついた。
12月18日
#twnovel 「隣の翔子ちゃん結婚するんだってね」「どこ情報だよそれ。ソースはあんのかよ!」「何言ってるの。あんたの前にあるじゃない」「ウスターじゃねえよ」「じゃあ」「おたふくでもねえ」そして渡されたデスソースをたらふくかけた海老フライを口に……やっぱり出来なくて俺は泣いた。
12月17日
#twnovel 俺はどんなシステムもすり抜けるその世界で知られたクラッカー。今侵入しているのは彼女の携帯端末。出会って一月だが進展が無い。女子校育ちのお嬢様大学生のガードを崩す物でも見つかれば……え。そこには男の名前と年齢と職業がずらり。俺のも。要人ばかり。彼女はスパイだった。
12月16日
#twnovel 自分の漫画が条例に違反しているからと編集者から書き直しの依頼があった。だが断る。ある日書店で自分のその本が普通に本棚に並んでいるのを見た。表紙のタイトル以外が黒塗り。購入して中を開くと一部を除いて全てが黒塗り。唯一残されていたのは抗議の意味で載せた条例の全条文。
12月15日
#twnovel 韓国では初雪は恋人が一緒に過ごす大事なイベントらしい。目の前でちらつき始めた雪に私は遠距離の彼に電話をする。「あ、智紀。うん。初雪だよ。智紀が降らしたって? 馬鹿。そっちは苦労も不幸も無いんでしょ? いつか私も……」空を見上げた。彼の白い贈り物は温かい気がした。
12月14日(番外編)
流星群
#twnovel 今夜はふたご座流星群が極大になる。でもおばあちゃんは白内障で見られない。更に曇り空。私はじっと空を眺め、見えたら教えてあげようと思ったのにやっぱり見えない。「ごめんね」と言うと、おばあちゃんは「わたしにはちゃんと見えてるよ。今お前が流した優しい流れ星が」
12月14日
#twnovel 昨日は忘年会だったが今日は社の忘年会だ。学生時代から何かと騒ぐことが好きだったが、社会人になると本当にこういった場が増える。飲み会サイコー! って叫んだら次の瞬間、隣にゴミ箱が寝ていた。俺は時計を見て慌てて出社したが、会社に席が無い。「先月首に……」忘れていた。
12月13日
#twnovel 選択肢を「別れる」にしてボタンを押す。それだけの簡単な作業。彼の戯言は全て早送りでスキップ。その泣き顔が怒りに変わり更に優しげに笑っても、送り続ける。やがて彼が画面から消えてしまうと、急に襲ってきた空しさに慌ててリセットを探した。でもどこにも無い。もう戻れない。
[0回]
PR