やはりSSタイプの140文字の方がいいのな、と思いつつも、そうでないタイプのものも作ってしまいますが。
今週分(11月22日~28日投稿分)は7編です。
11月28日
#twnovel 「ごめんね」彼女は笑顔で俺に手錠を掛けた。プレィかと思ったら「これ一生外れないから」と宣う。「どうすんだよ?」「結婚するって言ったじゃん」確かに。だがそれはSM嬢とのやり取りで。と彼女の表情が豹変した。「おめぇはあたしさ言うこと素直に従えばええんじゃ!」はい。
11月27日
#twnovel 「珈琲とアイスティー、それに日替わりケーキを」彼は私の分まで注文を済ませ「さ、話そうか」と。そんな必要無いのに。「必要無い? でも、言いたいんだろ?」彼は他人の心を悟る。「じゃあ何故別れたいか悟って」彼は困った顔。きっと私が占った二人の暗い未来を知ったのだろう。
11月26日
#twnovel 「ねえお兄ちゃん」上目遣いで「えへ」って微笑む女が俺の手を引っ張ってどこかに連れて行く。俺はいつから可愛い妹を持ったのだろうと考えたが「お兄ちゃん」と呼ばれる度にどうでもよくなり、着いた先は「コスプレ喫茶」。そこは俺のような大きなお兄ちゃんたちで溢れ返っていた。
11月25日
#twnovel 幼稚園に通う息子がまた妙な呪文を覚えて先生たちを困らせたらしい。でもどんな呪文か息子は教えてくれない。ある休日、デパートに出掛けると息子は派手な格好をした若作りの女性を指差し「りあじゅうばくはつしろ!」と唱えた。それは私が夜な夜なネットで呟いている言葉だった。
11月24日
#twnovel 「旅に出る」そう言って妻はキャリィバッグを抱え出て行った。後には三歳の息子と私だけが残された。仕方なく息子の世話をしながら洗濯に家の掃除、ついでに車も洗ってやる。息子と日向ぼっこしていると帰ってきた妻が一言「飯」と。半年後に出た新刊はどうやらローマが舞台のよう。
11月23日
#twnovel その本には全てのことが書かれていると言われていた。けれどどこを見ても私のことは一切書かれていない。だから何でも知るという賢人に尋ねた。私は何者なのかと。賢人は答えた。「あなたのことは誰も知らない。何故なら、あなたは誰もが探し求めているものだからだ」私の名は幸福。
11月22日
#twnovel 指輪を失くしたと妻が泣いた。大病を患い痩せた指から抜け落ちたのだ。私は折角だからと妻をデートに誘った。二十代の頃と同じようには回れなかったが、それでも一緒に食べたソフトクリームの味は変わらない。その最後、私は妻の指に新しい指輪を嵌め「また夫婦になろう」と笑った。
[0回]
PR