140文字で楽しんでもらったり、何か考えてもらったり、出来るようなものが作れていれば良いのですが、と思いつつ。
今週分(11月29日~12月5日投稿分)は7編です。
12月5日
#twnovel 「一緒の檻に獅子と虎と狼を入れたら誰が生き残った?」日曜の午後にする彼女の質問はいつもくだらない。でも答えないと怒る。だから「違うよ」「違う」「それも違う。もう勇太は私のこと何も分かってない!」それから一時間彼女の不満と愚痴が続く日曜の午後。「それで……答は?」
12月4日
#twnovel ある日太陽は空に昇るのを止めた。変わらない毎日に飽き飽きして、たまには休むのもいいかと考えたのだ。その日から世界は暗闇に閉ざされた。星の輝く空は綺麗で、植物は人工光で育つ。必要とされなくなった太陽は忘れられた。だがその他にも人々は忘れた。「ねえママ。朝って何?」
12月3日
#twnovel 「待ってるから」あの馬鹿にそう言ってからもう四十年。私は未だこの町を離れずにいる。独り身でいるのは、こんな草臥れた飲み屋の女を口説くもの好きは情婦持ちくらいだから。待つことに終わりは無い。ドアベルが鳴る。入ってきたのは、あの日のまだ人生を知らない少女の幻想。
12月2日
#twnovel パトカーのサイレンが駆け抜けて行った。男は気にせずコーヒーを飲み、読書に耽る。店内で覆面男がナイフを振り回して喚いても気にせずペイジを捲る。何だか警官が沢山入ってきたが気にせず。机の上のカップが割れても気にせず。逃げ出したウェイトレスが転んでも気に……黒か。
12月1日
#twnovel この町に初めての雪が降った。それをとても息子は喜んだし、他の人たちも楽しげに空を見上げていた。けれど翌日、その翌日と降り止まないのを目にして、人々のそれは恐怖へと変わった。直ぐに私の元に訴状がもたらされ、今度は「雪を消して欲しい」だと。人間とは本当にいい加減だ。
11月30日
#twnovel 毎回見た目も雰囲気も全然異なる男と付き合う親友の彼女が、ある日わたしに告白した。「実は私、匂いフェチなの」それで見た目や性格じゃなく「匂い」で彼氏を決めてきたという訳か。納得したわたしに寄り添い、彼女は何故か匂いを嗅いで恍惚の表情。「実はもう一つ告白があって」
11月29日
#twnovel 飲み会の帰りの朝焼けが綺麗だと思っていたら、それは「夕焼け」だと隣の知らない女に指摘されて、何がどうなってんだ? /自分が誘拐されたことに気づいてない馬鹿息子の身代金を考えていたら「それもういいわ」とボスに言われて扱いに困っている。非常に遺憾である。
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