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凪司工房の徒然

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明日の記憶(堤幸彦監督)―Memory for a future―

若年性アルツハイマを取り扱った映画……。
渡辺謙主演・プロデュースの映画……。
堤幸彦監督の映画……。

どんな認識で、あなたは此の映画を知っているのだろうか?
それとも、全く知らないままなのだろうか?

そんな映画について。

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巡り合わせや、運命的な出会いというものは、本当に人によって様々だし、
其の「何か」に出逢えるかどうかで、また、人の人生も多少なりとも変わってゆく
ものだと、思っている。

此の映画との出逢いは、あるHPだった。
「ほぼ日刊イトイ新聞」(http://www.1101.com/
ここで渡辺謙さんと糸井重里さんの手紙(Eメイル)のやり取りの様子が公開
されており、それを拝読していた。

もし仮に、其れを見ていなかったとしたら……ひょっとしたら映画館では
見ていなかったかも知れない。

TVCMを見ただけなら、
出演者や監督・スタッフの情報や、ストーリーを知っていただけなら、
見ていなかったかも知れない。

見るか、見ないか。
それは個人の判断だけれど、其の為の材料が揃っているかいないかは、
大きな違いだと思う。

現在の映画というのは、基本的にバラバラに撮って、後で順番にシーンを編集
してゆく。何故って、この方が「効率が良い」からだ。
映画がたとえ「夢やロマン」を謳っても、やはり創る為には膨大な費用がかかり、
また人や物、時間や場所、様々ものが消費される。
その為に「効率」を考えるのも、仕方無い、とも言える。
けれど、「効率」を考え過ぎると、沢山のものが隙間から零れ落ちてしまうように、
私は思うのだ。

此の映画は、基本的に「順撮り」(撮影シーンを順番に撮っていく方法)で
撮られたらしい。

見た。
(その日は私以外はみな壮年以上の年齢の方々ばかりだった)
別に「泣いて下さい。さあ、いいシーンですよ」なんて部分は、一つも無かった。
でも、涙が出る。

記憶を扱っている映画だから、当然、映像以上に「言葉」が重要な筈だ。
なのに、最近の映画に比べて随分と台詞が少なかったように思う。
映像に、それだけ説得力(というか、それ以上の何か)が在るのだろう。

見終わっても、後を引き摺る映画……というものが幾つか在る。
その中でも、これはトップクラスかも知れない。
映像が心に沁みて、残っている。
余分は無い。
けれど、だからこそ、私たちは此の映画から多くのものを感じ取る事が出来るだろう。

此れはそういう映画だ。
決して、若年性アルツハイマがどうとか、記憶がどうとか、家族の絆がどうとか、
そんな言葉に出来るような簡単なものが描かれている映画では無い。

明日の為に、一度でいい。見てもらいたい。そう心から言える映画の一つだ。
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