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凪司工房の徒然

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ハチミツとクローバー(集英社)―honey and colover By UMINO.C―

前回「映画版」を紹介しましたが、今回は漫画(comic)の方です。
今月10巻が出て、其れで完結と成りました。

話題に成っているものが必ずしも良いもの、とは限りません。
けれど、やはり、何かしら話題に成るだけの要素は備えているものです。

そんな漫画について。

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何故、漫画を読もうと思ったのだろう。
映画を見たから?
アニメを見たから?

たぶん、其れだけが理由じゃ無いだろう。

良いものには、やはり、何かしらの魅力が在る。
1巻を読んだ時は、そこまで感じなかった。
2巻を読んで、私にとっての此の漫画の魅力が分かった。

「ああ、恋だ」

物語の中で、やはり「恋愛」を描いたもの、というのは王道だろう。
男も女も、子どもも大人も、最も自分に近い話題で有り、同時に遠い話題で有る
からだ。

人の数だけ「恋愛の形」が在り、恋の数だけ「物語」が在る。

そして、此の漫画に描かれていた「恋」とは……何か。

具体的に言うなら「片想い」だろうか。
もっと曖昧な言葉にすれば……それは……せつなさ。

たぶん、楽しかった両想いより、辛かった片想いの方がよく覚えているものかも
知れない。

それに、よくよく考えてみれば其の「恋」が喩え「両想い」だったとしても、
本当に「両想い」かどうかは、確かめようが無い。
ひょっとしたら、「片想い」同士、なのかも知れない。

恋は、されるもの、じゃ無く、するもの、なのだから。

一応、コミカルな部分も在るけれども、やはり切ない恋の描写に惹かれる。
漫画は静止画の連続で作るものだけれど、それでも、本当に停まっている画は
少ない。読んでいる人間の頭の中では、色がついたり、声がついたりして、
動いている。
けれど、時々、在るのだ。

「あぁ、いいな」

そう思わせられる「静止画」が。
此の作品は特にそういう静止画が多かった。
此の1ペイジ。
此の1カット。
其れをじっと見つめてしまう。
浸ってしまう。

ハチミツの甘さと、クローバーの爽やかな印象。

喩え四つ葉のクローバーが見つからなくても、
ハチミツが固くなってしまっていても、
それでも、
恋をしたい。

時間の停まるようなあの一瞬を、やはり、何度でも味わいたい。

そう思える作品だった。

そして、喩えそこに辿り着けなかったとしても、
其れは無駄じゃ無い。
決して、無駄なんかじゃ無い。
無駄なんかじゃ……無かった。
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