アメリカの文豪、アーネスト・ヘミングウェイの晩年の作です。
そして、タイトルの通り、ほぼ「老人」と「海」のみの登場、
という、ある意味、実に潔い作品です。
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タイトルや作者名は実によく知られた作品で、最後の方の
「ライオンの夢」のくだりも、引用されたりする事も多い作品です。
彼は三島由紀夫や太宰治と同じく、自分の最期を自分で決めた人間
ですが、そんな彼の一つの生き様というか、理想としている人間の
生き様が、此の作品には描かれているのかも知れません。
全編に渡って漂う、何とも言えない「寂寥感」は、途中で何度も
出てくる「あの子がいたらなあ」という言葉に集約されているようにも
思えます。
付いていた少年にも物理的に見放され(精神的には見放されていない)、
一人で漁に出る老人。そこで出遭う大物。長きに渡る死闘。
その闘いの末、得た獲物も、途中で鮫に齧られ……。
男の見栄かも知れません。
女性から見れば「何て詰まらない」と思われても、これは仕方無いのかも
知れません。
けれど、男の生き方にとってはとても重要な「何か」なのでしょう。
だからこそ「寂しさ」を感じたのかも知れませんね。
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