「そんな事は当たり前だ」
とてもよく使われる言葉「当たり前」。
しかし「当たる」「前」とは、一体、どういう事なのでしょうか?
[0回]
・当たり前
……そうである事。当然。または、普通な事。此の言葉。語源には有力なものが二つ在ります。
まず一つ目は、江戸時代、「当然」を「当前」と書き間違えたものを
態と「あたりまえ」と読んだところから来ている、とするもの。
(こちらは「当然」の当て字として「当前」が存在したところから、
とも)
それから、漁師(猟師)の話。昔は漁などの共同作業においては、獲ったものは
みんなで平等に分配するのが常だった。其れを「あてまえ(当前)」「あたりまえ」
などと言ったところから、現在の「当たり前」と成ったという説。
分けるものを「分け前」などと言ったりしますものね。
それで此の時の「前」ですが、「一人前」などの「前」と同じ意味です。
どちらもそれなりに説得力が在るように思われますが、「当前」と書き間違えた
ものを「あたりまえ」と読んだ、というのは如何にも江戸っ子ぽく、また、
皮肉が利いているように思われます。
「常識」という言葉と同じように使われる「当たり前」ですが、
どちらも個人個人によって、其の範囲も程度も異なる、実に厄介な現代語
ですね。自分と異なる「当たり前」に衝突する前に、多少は「世間の常識」を
身に付けておいた方が良いのかも知れません。
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