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凪司工房の徒然

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もったいない、もつ鍋―That's No Use!―

「もつ鍋」。
そう、あのホルモン(牛などの内臓)に、韮やキャベツなどを入れて
煮た鍋です。

健康にも良く、また「安い」「美味い」という事で、一時期ブームも
在りました。
そんな「もつ鍋」に込められた精神は、ひょっとすると、飽食の時代を
過ぎ、健康ブーム(そう「ブーム」です)に踊る私達にとって、最も
必要なものかも知れません。

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日本は昔から「肉食(にくじき)」の習慣が在りませんでした。
どちらかと言えば「穢(けが)れたもの」とされ、忌み嫌われていました。
もちろんそんな中でも「栄養の為」と称して「薬食い(くすりぐい)」などと
言って鶏や猪、鹿などを食べる知恵者も居ました。
また江戸時代末期には「獣店(けものだな)」「ももんじ屋」と呼ばれる店で
公然と獣肉が売られるように成っていました。

そんな日本で獣を使った鍋が一般化したのは明治に入り「牛鍋」が流行した事に
よります(今の「すき焼き」の元に成った)。

福岡では「水炊き」なる鍋が、明治末期頃に登場し、それがやがて全国へ
広がっていきます。

けれど「もつ鍋」の登場までは、まだ更に時間が掛かります。
それは今からほんの60年ほど前の、戦後まもなくの時代でした。
「放(ほう)るもん」(関西で「捨てる物」の意)と呼ばれた「ホルモン」
(※これについては別の語源も在り)を「勿体無い」と思い、韓国のチゲ鍋に
煮た濃い醤油味で煮た「すきやき風もつ鍋」を作ったのがその始まりと言われて
います。
(ちなみに「もつ」というのは元々「臓物(ぞうもつ)」の隠語だった)

必須アミノ酸が多く含まれ、低カロリーで、野菜を多く摂る事も出来、
ヴィタミンも豊富。その上、本来捨ててしまう筈だった「臓物」を食す、
という「勿体無い精神」。
戦後生まれながら、実に「日本的精神」に溢れた鍋なのでは無いでしょうか。

暑くなり、バテ易いこの季節。たまには「もつ鍋」でも食べて、疲労回復と
共に、そんな精神まで食すのも良いかと思います。
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