お知らせ・小説・ツイノベ・随筆・エッセイなど
[
2]
[
3]
[
4]
[
5]
[
6]
[
7]
[
8]
×[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

どんな140字が気に入られるのか分かりませんが、さっと読める文字数なので、ほんの一瞬の煌きの中に何か違和感や「えっ」って放り投げられるような感覚が突っ込めればな、と思いつつ。
今週分(9月20日~9月26日投稿分)は番外編を入れて8編です。
9月26日
#twnovel 長い坂道だった。まだ頂上は見えない。と、元課長が坂を下りてくる。「温泉でのんびりするよ」やけに晴れ晴れとした表情。俺が足を止めると、同期のあいつが脇目も振らずに走り抜けて行った。が急に飛び出してきた不協和音のバイクに撥ねられる。結局俺は休憩し、愛妻弁当を開いた。
9月25日
#twnovel モノクロ映画のエンドクレジットを見ながら最後の煙草に火を点ける。黄金色したルイ13世を傾けて紫煙を漂わせる。この至福が分からない女を相方に選んだ俺の選定眼にも間違いはある。と、ドアが開いた。「ここ禁煙でしょ!」そう言うと妻は煙草を持ち去った。禁煙は暫くお預けか。
9月24日
#twnovel 暗い海の底が好きだった。誰にも見つからず、迷惑を掛けず、ただ気ままに生きる。ある日そこに小さな太陽の付いた箱がやってきた。箱の中の妙な生物は僕たちを見て喜んでいる。それは毎日のようにやってきて、海の底は住み辛くなった。だから僕は化石になる。もう生きてない化石に。
9月23日
#twnovel 「雪が見たい」まだ九月なのに君はそんな無茶を言う。心臓を盗んできて欲しいと言われないだけ、まだマシか。その一週間後。「雪だ」窓の外を白いものが落ちてゆく。君は笑顔で「ありがとう」って。その報酬の為に今回は降雪機を拝借した。「泥棒って悪い人なんでしょ?」そうだね。
9月22日 (番外編)
中秋の名月
#twnovel 月を見に行こうと言われた。でも外に出たら雨で、なのに彼女は構わずに「こっち」と誘う。暗闇を抜けるとそこには光の塊が舞っていて、僕はそれに吸い込まれた。急上昇した何かは成層圏を突き抜け、宇宙へ。彼女と一緒に見る月は最高だった。ただ彼女も銀色に光ってた。
9月22日
#twnovel 彼女に会いに山に登る。夏は過ぎたが山は天気が変わり易い。ぬめる地面に注意しながら小川を渡るとその洞窟へ入った。懐中電灯は一月ぶりの光を岩肌に当てる。三十分も歩けば彼女が待っていた。もう治らない病気は彼女に一つの決断をさせたのだ。即身成仏。仄かな微笑が待っていた。
9月21日
#twnovel 天国を見てくると出掛けたおじさんがボストン片手に戻ってきた。嫌われ者のおじさんが私は意外と好きだった。でも二週間もすると「今度は地獄に行かなきゃいけない」そう言って私にガムを一つくれて、姿を消した。何故か後で母親がスーパーに謝りに行ったけど、ガムは美味しかった。
9月20日
#twnovel 敬老会で再会したのは同級生の文枝さんだった。彼女も連れ合いに先立たれ一人暮らしらしい。「それハイカラだね」「孫がプレゼントですよ。でも使わないしねえ」それは携帯電話だった。「じゃあメル友になりましょう」私は孫に教わった通り言い、携帯電話を借りた。まだ冬には早い。
[0回]
PR

140字の中にどこまで情報が詰め込めるか。出来るだけこの短い文字数の中でも濃いものを、と考えています。ただシンプルさがやはりツイノベは肝だと思うので、それも忘れないように。
今週分(9月13日~9月19日投稿分)は7編です。
9月19日
#twnovel 「今度父さんとコラボすることになったん」母が何を言い出すのかと思ったら町内会の飲み会の話だった。俺は適当に「得意なことやれば?」と。週明け、何故か近所のおばさんに笑われる。母に訊くと「私はピアノ。父さんはああ見えてバレエが得意でな」じゃあ干してあった白タイツは。
9月18日
#twnovel 「暗くなるの早くなったな」散歩帰り、四つ葉のクローバーは見つからなかった。お父さんの手は大きくて、僕の手なんか十個くらい掴み取り出来そうなんだけど、そのお父さんもお母さんに敵わない。「ただいま」「おかえり」出迎えたお母さんのエプロンには沢山の四つ葉があった。
9月17日
#twnovel 夏休み最後の日、勇平が近所の花火を全て買い占めて公園に俺らを集めた。「これやんなきゃ夏終わんないだろ」夕暮れ時から始まった花火大会は二時間ほど楽しんで、最後の線香花火を残すだけとなった。「俺、転校するんだ」その勇平の言葉で一気にしんみりした場に、火の涙が落ちた。
9月16日
#twnovel 今は便利になったものだと単身赴任で離れている父とネット電話で話している母は言った。「昔の遠距離恋愛はね3分180円の恋だったのよ」そんな父に最近浮気疑惑があると言う。電話を終えた母は、早速追跡ソフトで父のネット動向を探る。父が検索した文字は「格安 デリヘル」。
9月15日
#twnovel 五年前に北海道で捨てられた犬が引っ越した先の東京の家に! そのニュースで瞬く間に橿原家は有名になったが、会う人会う人にタロウのことを訊かれ暗澹たる気分になる。「ねえママ。どうしてタロウはうちに帰ってこなかったの?」タロウが辿り着いたのは家出した姉のキャバクラ。
9月14日
#twnovel 逆にされた砂時計からは砂が落ちていなかった。君は笑って「ずっとこのままならいいじゃない」と言ったけれど、このままなら友達のままだね。だから僕はこっそりその砂時計を元に戻した。あれから三年。君は病院で僕を待つ。直した結婚指輪は細くなった指に合うだろうか。
9月13日
#twnovel 初恋は女の子だった。それが異常なこととは思わなくて、でもそれは違って、だから貴方を選んだんだ。ベッドに一緒に入った貴方は温かかったけれど、私の扉は固く開かなかった。流れた血よりもずっと傷ついた心がまだヒリヒリとするから、これはさよならのキス。私はわたしに戻るね。
[0回]

たった140字しかないので、表現としてどこに重きを置くか(オチ、文章、雰囲気、人間、心情など)にいつも苦慮しています。
今週分(9月6日~9月12日投稿分)は番外編1編合わせて8編です。
9月12日
#twnovel 彼女は父親を食っていた。その傍らには母親の残骸。「もうやめろ」獣のように太った彼女は血の涙を流す。「デモ、貴方ヲ食イタク無イ」それでも彼女を抱き締める。暴走した遺伝子研究の末路。その責任を取る為だ。彼の腕を食い千切り、刹那彼女は呻く。彼の体にはアンチ遺伝子が。
9月11日
#twnovel 宇宙空間を漂っていた。切れた命綱の先に希望は見えない。もう終わりか。と、目の前に昔の自分が現れた。走馬灯か。手にロケットの玩具を持ってこの頃から宇宙船乗りを目指していたんだな。だがそいつはにっと笑い、膨らんで……宇宙人になった。そして巨大な宇宙船が現れ、私は……
9月10日
#twnovel 文化祭を明日に控えた教室でユナは私に手紙を渡す。「何これ。ラブレター?」「中峰君に渡して」「自分で渡せば?」でもユナは寂しく笑う。秀才中峰のどこがいいんだ。「マキだけが頼りなんだ」翌日ユナは学校に来なかった。/ユナは今日もマキを待つ。文化祭を明日に控えた教室で。
9月9日
#twnovel 「生徒会長に当選したよ」流石うちの息子ね。あの人に似て人望があるわ。「やっぱり父さん凄いね。言った通りにしたら得票率八割だよ」何かコツを教わったのね。その時電話が鳴った。あの人の秘書だ。TVを点けろと言う。『有権者に協力金を配った疑いで金田議員が逮捕され……』
9月8日
#twnovel 分厚い推理小説を読んでいたら姉が「それ叙述トリックよ」と言って通り過ぎた。僕は自室に移動しベートーベンを流しながら続きを読み耽る。と姉が入ってきて犯人は誰で本当は主人公は女でとか言い出すから「違うんだ」と表紙を剥ぎ取る。そこに現れたタイトルは『生意気な姉の蜜壷』
9月7日(番外編)
スパムメイル
#twnovel 「55歳でもいいですか?」徐々に年齢が上がる迷惑メイルはついに「120歳なんですけど、主人がいなくて寂しいの」ここまできた。冗談の領域だろうがつい気になって返すと返事があった。「暫く家に置いて下さい。年金はありますから」翌日、乾燥した遺体が届いた。
9月7日
#twnovel 彼女がプランターに楽しそうに水をやっていた。「何植えたんだ?」「喧嘩の種」「育ててどうすんだよ」「だって喧嘩するほど仲がよくなるもん」「俺は金の成る木がいい」「それだとあんた働かないでしょ。今でもヒモみたいなのに」「んだと?」どうやら順調に種は育っているようだ。
9月6日
#twnovel 十年前にタイムカプセルを埋めた日は風邪で休んで友達に頼んだんだっけ。円筒形の箱からは次々と思い出の品が出てくる。「あ、これ篠田君の」池野さんに渡されたビニル袋の中身。渡した覚えの無い手紙。「すきです。いけの」僕は結婚して池野となった彼女の旦那を見た。あいつが。
[0回]

最近は特にオチが無くても雰囲気を味わえるものも書いております。
今週分(8月30日~9月5日投稿分)は7編です。
9月5日
#twnovel 窓の外は相変わらずの砂嵐。砂漠に作った完全隔離病棟で五年、私は過ごしている。看護ロボットが絶えず行き来しているが意外と快適だ。ただ欲を言えば見舞い客だけで無く医師や看護師もいない。半年前からは新聞も届かなくなり電話も繋がらない。そして何故か今日も太陽は見えない。
9月4日
#twnovel 舞台の上で君がピアノを弾いていた。練習を始めた頃はあれだけ嫌がってたのに、可愛いドレスで君は一生懸命だ。発表会の順位なんて正直どうでもいい。一番にならなくてもお父さんはほら、ちゃんと聴けたよ。演奏が終わった瞬間、病室の父親は涙を流したそうだ。亡くなっていたのに。
9月3日
#twnovel 映画を見終えた後カラオケボックスに連れ込まれ一体初デートで何を歌えばいいのか考えていると、ピコピコと楽しげな音が鳴り始めた。彼女はマイクを持たずにソファを動かし、画面のアニメ女子と一緒に踊り始める。「ハレ晴レゆかい?」二十歳過ぎて制服姿の理由が何となく分かった。
9月2日
#twnovel 背の高い彼の後を小走りに彼女は距離を詰める。僕なら同じ速度で一緒に歩いてあげるのにと思ったけれど、彼女は「優しいんだね」と笑って、でも彼を選んだ。彼はふと立ち止まって、木の幹を見た。それから微笑んで彼女を少し持ち上げて見せてやる。そこには蝉の抜け殻があった。
9月1日
#twnovel 綺麗なドレスを着て舞踏会で王子様と一緒に踊る。やがて時間が来て慌てて帰ろうとするんだけれど、ガラスの靴が脱げてしまって。その靴の主を探して王子様が街にやってくる。誰にも合わない靴を、見事に私が履いて見せるんだ。そんな幻想を抱きながら、馬車の手綱を操っていた鼠。
8月31日
#twnovel ラジオから流れてきたツェッペリンの音楽に合わせベッドでエアギターを鳴らした男は天井の巨大AKBポスターを見てうっとり「かわいい」と。その男を見ながら迷ったが、これも仕事と言い聞かせ俺は「削除」を押した。こいつが将来国を潰す政治家になるらしいが、死神には関係無い。
8月30日
#twnovel 恐いくらいに空が暗くなってきた。駆け抜けた風は稲をざわつかせ、遊んでいた子供たちを家に帰らせる。夏休みの宿題やったか? という声に混ざって届いた蜩の声が止まる。貰った西瓜の残りを食べていると、足下に働き蟻たちの行列を見つけた。雨が降り出した。もう、夏が終わる。
[0回]

140文字なので、オチが秀逸な方が好まれるのでしょうが、個人的にはじっくり味わえるものも好きなので、そんなタイプのものも増えつつありますね。苦笑です。
今週分(8月23日~8月29日投稿分)は番外編1つ加えて8編です。
8月29日
#twnovel 今から死にます。アスファルトにそう書いてあった。嫌な悪戯だ。そう思ったが、続きがあったのでずっと歩いて行った。そこには学校で苛められたことや親や先生が何もしてくれなかったこと等が書いてあったが、最後に「ありがとう、雅史君」それを目にし僕は慌てて携帯を取り出した。
8月28日
#twnovel 「宮ちゃん!」夏祭の帰り、君の姿を見かけた気がして、僕は暗がりも構わず橋を渡った。月明かりの森。彼女が事故に遭ったのもこんな夜だったっけ。「宮ちゃんはもう居ないんだよ」追いかけてきた友美は、僕と二人で息を止めた。そこに君は居て、君の微笑は光に包まれた。蛍の光に。
8月27日
#twnovel もう壊れてしまうんだね。彼女は泣きながらそれでも僕を貫く。体液は何度も噴き出しシーツを汚したけれど、もう洗濯はしてあげられない。それを復讐だと言った君は何度も唇を吸う。どんどん冷たくなる体から悪魔は消えてゆく。それが君の望みだったんだろう? 笑った君の牙は光る。
8月26日(番外編)
自然の音
#twnovel 何でもない海の、波の音と、君の笑顔。言葉なんて無粋な音なんだと気づいたけど、君に何か伝える為におならじゃ悪いね。だからやっぱり言葉を使う(君は人前でキスしたがらない)。でも僕はあまり人前で愛を語りたくなくて……なんて迷っていたら蝉が精一杯の愛の叫び。
8月26日
#twnovel 三番ホームに電車が入ります……」そこはもう廃線になった駅だった。それでも私はアナウンス通り電車を待つ。暫くして発車のアナウンスがなされ、風が吹き抜けた。私の迎えの電車はまた来なかった。「落し物ですよ」駅員が渡してくれたのは一通の封筒で「遺書」とあった。
8月25日
#twnovel 女が男とラブホテルから出てきた。それをカメラに収め、ボスに報告する。これで今日の仕事は終了。また一つ夫婦が別れるのか。そんなことを思っていると携帯電話が震えた。「あなた、この名刺何なの? 杉山探偵事務所って……まさか私のこと疑ってる?」妻には内緒の仕事だった。
8月24日
#twnovel 「嘘をついたら貧乏になるんだぞ」四歳の娘に言い聞かせ、俺はその噂を尋問した。「彼氏がいるのか?」「うん」「それはミツル君か?」「それもいるけど、タケルとショウもいるよ」「浮気か?」「浮気はお父さんでしょ」「いや、俺は」「だからうちは貧乏なのね」妻が立っていた。
8月23日
#twnovel スポットライトの中でマイクを握り、彼女は歓声を全身に浴びる。褒め称えなさい。なじりなさい。コスプレでもオナペットでも女神でも妄想の彼女にでもなりましょう。お前らが金を出すほどに私は萌える。「さあ、いくよ!」彼女の名が刻まれた命の蝋燭は激しく燃え、間もなく尽きる。
[0回]

140文字程度なので、出来る限りショート・ショート的なオチを重視したものを心掛けていますが、そういうものばかりでは無く、しみじみとしたものや、ちょっと立ち止まって考えてしまうものなど、色々な形式をそろそろ試してみようかと思っております。
今週分(8月16日~8月22日投稿分)は7編です。
8月22日
#twnovel 彼女が世界を滅ぼす悪魔だったなんて信じない! 僕が昨日の夕食をすっぽかした腹いせに日本を消すとか信じない! 僕は彼女を愛しているんだ! 宇宙で誰より一番愛して! 「これ何?」彼女は僕の首筋に僅かに付着した違う口紅の残留成分に気づいた。その日、嘘は世界を滅ぼした。
8月21日
#twnovel 地平線ってあれ広がってんのか? 線だから伸びてるんじゃない? オープンカーって冷房ついてねえな 太陽を浴びて走るからって取ったのあんた 熱いぜよ俺 馬鹿な上に土佐生まれじゃないし ぜよって言うぜよ 言わない 付き合いの悪い女ぜよ じゃあ結婚やめる? ごめんなさい
8月20日
#twnovel 昔話だ。あるところに走り続けていないと死んでしまう男がいた。彼は夜通し走るので近所迷惑だとルームランナーを買い与えたが、一月と持たずにそれは壊れた。やがて街から追い出された彼は世界一周の旅に出た。「で、どうなったの?」祖父は笑って路地を見た。やがて歓声と足音が。
8月19日
#twnovel 拳を握る。噛み締めた砂がジャリ。汚れたセーラー服を抱きしめて泣く母親の顔は、もう見たくなかった。「どうしたんだい?」奴らは嗤う。幾つもの口。香水臭い。その穴目掛けて、私は思い切り腕を伸ばした。「え、母さん、それほんと?」「昔話よ」笑う私の傍らには空手の優勝杯。
8月18日
#twnovel ベランダで知らないお姉さんがTシャツを脱いだ。あれは見せブラなのかと考える僕に構わず赤や黒の小さな下着を干し始める。「それハニートラップやぞ」友達に言われて家に帰ると確かにポストにちらしがあり、お姉さんがえっちな下着姿で写ってた。『極秘配送!女性下着各種取扱』
8月17日
#twnovel 彼女は月を見上げるとその瞳に涙を溜めた。理由を尋ねると次の満月には自分の星に帰らないといけない、と言う。僕は何とか彼女を引きとめようとしたが彼女の上司は首を縦に振らない。別れ際、彼女は「今度はあなたがこちらに来てね」僕は円形の窓から見つめた。宇宙に浮く青い星を。
8月16日
#twnovel あなたに愛する人はいますか? 僕にはいます。その人は泣いている友達の代わりに彼氏を殴りつけ、馴染めなかった女子と友達になってあげ、弁当は大盛りで大きな口を開けて笑うけど、かっこいい先輩の前ではお淑やかを装う。そんな君に、もっと僕を知ってもらいたいんです。A美より
[0回]

時々気分で番外編を投稿していますが、基本は1日1本を心掛けています。狙いは一つ一つ違いますが、ほんのささやかでも楽しんでもらえればと思って書いています。
今週分(8月9日~8月15日投稿分)は番外編2編を入れて9編です。
8月15日
#twnovel ヘッドフォンから必死なロックバンドの叫び。僕は機関銃のようなものを振り回して抵抗する。警官のような人が取り押さえ、手錠のようなものが嵌められる。報道カメラは僕の顔にモザイクを掛け、アナは大声で「事件のようなものは収まりました」これが平和っぽい世界、て歌詞だった。
8月15日(番外編)
コピペ
#twnovel 大学で横行するコピペ・レポートにX教授はコピペ診断マシンを開発した。「これで誰もコピペ出来ないな」マシンは次々と生徒たちのコピペを見破り、あっという間に赤点の生徒を増やした。マシン開発は成功した、かに思えた。「X教授」訪れた事務員の手には教授の論文が。
8月14日
#twnovel 夏休みの登校日、掲示板の前に人だかりが出来ていたから覗いてみると「お、お前!」って友達に指差され笑われて、見たら『告白はじめました』って手書き文字の隣に紛失した彼女へのラブレター貼られてた。散々からかわれた翌日、一通のメイルが。『愛を一つ注文してもいいですか?』
8月13日(番外編)
13日の金曜日
#twnovel 遠くで微かな悲鳴。君は玄関を開け外を覗くが、外灯がちらつくだけ。時計は22:53。ドアを閉め、部屋に戻る。と、カーテンが揺らめいた。窓が開いている。電子レンジが鳴り、シャワーが。そして飛び出したジェイソン! だが時計は0:02。「残念14日だね」
8月13日
#twnovel 懐かしいね。アルバムを捲るとモノクロの笑顔。若い頃のおじいちゃんはいつも上半身裸で白い歯をにかって。戦地で受けた鉄砲傷をよく自慢げに話してたよね。結婚式は酔っ払って大泣きで、ほらおばあちゃんが笑ってるよ。「あれ? おじいちゃんは?」「きっとまた来年、会えるわよ」
8月12日
#twnovel 「今年の夏休みは熱海でバカンスですか」「ええ、そうなんです。苦節七年、地道に生きた甲斐がありました」「でも一人身で熱海は辛いですな」「いやいや、だからこその熱海です。素敵な彼女を見つけて思い切りハッスルですよ」その二週間後彼は死んだ。「来年は俺か」蝉のバカンス?
8月11日
#twnovel 空がごおぉって叫ぶ。田圃の稲は波打って、良蔵はその小さな体を更に縮ませた。夏になると山を越えて鬼がやってくるとじいじに聞かされて、それ以来、毎年風が唸り出すと、良蔵はじっと目を凝らした。山の上には真っ黒な雲。そこが光った。「うをぉぉぉ」その声は山に届いたろうか。
8月10日
#twnovel 「おい」寝室を覗くと妻が虫になっていた。虫だと? 再度扉を開ける。今度は白熊だった。夢だ。そう思って三度目のチャンレジ。鮪だ。それも生きている。いや生きてないと困るが。これはどうしたものか。「あなた」そう言った彼女の顔が何故隣にある。ろくろ首! そしてびっくり!
8月9日
#twnovel テレビはどこに回しても明日で世界が滅んでしまうと嘆いている。僕は彼女の手を握りながら、随分と穏やかな気持ちだった。彼女はしきりに世界の終わりが恐いと泣いた。それは僕と一緒に死ねるかどうか分からないからだ。でも、もう大丈夫だ。寝息を立てなくなった彼女の髪を撫でた。
[0回]
